口腔外科、親知らず

親知らずは抜くべきなのか

免疫力の落ちやすい冬の時期は親知らずの症状の患者さんが増える傾向です。親知らずの炎症が応急処置でおさまった後に抜くべきなのかと悩む人が少なくありません。

真っ直ぐ生えている親知らずは抜かなくていいとする見解が一般的かと思いますが、若年の方から在宅医療でご高齢の方も治療する立場から、少し意見を書いてみます。

親知らずは抜けるタイミングがあるのであれば、若いうちに抜いておく方が人生全体でのトラブルは少ないと感じます。

①就職、結婚、出産

親知らずの抜歯後、炎症が3-10日程度続くことがあります。自分にかけられる時間的猶予が少なくなると、タイミングを逃しがちです。かくいう院長(わたくし)も右下の親知らずを抜くタイミングを逸して仕事に明け暮れています。。

②骨代謝、治癒

年齢を重ね骨が硬くなると、抜歯が難しくなり、治りが悪くなります。かくいう院長(わたくし)も、40歳で左下の親知らずを抜いたので、真っ直ぐ生えていても1時間程度施術に時間がかかりました。

③健康状態、服薬

私が訪問診療を始めた10年前に比べると、歯の残っている高齢者の方がかなり増えました。一方で、残った歯の炎症のコントロールに苦しんでいる方が多いのも事実です。服薬などの影響で親知らずが抜けない方、総入れ歯だと思っていたら歯肉と骨が痩せて親知らずが露出してくる方など、以前は見られないトラブルが複数見られるようになっています。

親知らずを残すメリットもケースによってもちろんありますが、顎が小さい日本人の傾向からすると、残して得をすることは早々多くはないように感じます。ご不安のある方は口腔外科の専門医の外来も設けておりますので、ご相談ください。

モガミデンタルオフィス 小伝馬町・馬喰町・東日本橋

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